ホームページで出来る事
ホームページは伝えることに特化した道具です。デジタル特有の正確な再現性を持ち電話のように瞬時に伝えることが出来ます。しかも間に他者が介在する事無く1対多のコミュニケーションを可能にします。ワープロを扱う程度の知識があれば個人であっても膨大な量の長編小説を連載することが出来ます。音楽だって映像だって絵画だって発信すること自体は可能です。
しかしこの「出来る」という事を根拠に、一足飛びに結果につながるという過大な期待を寄せる人がいます。そうした人に限って他人への対価や機材・媒体への投資を惜しむ傾向があります。
例えば「自身のプロモーションビデオ」をネット配信しようと考えます。もちろん目的は自主制作した音楽CDをより多くの人に販売する為です。撮影はホームビデオを持っている友人に頼んで適当に撮影してもらい、ついでに編集もしてもらいました。
さ て、結果は...間違い無く友人知人が見に来ただけで終わります。肝心のCD販売もご祝儀程度の売り上げに留まるでしょう。もちろん、こうした事例でもビック リするようなアクセス数を稼ぎCDが飛ぶように売れる場合もあります。それは、本人が既に全国的に知られた有名人であった場合。また撮影を頼まれた友人が 映像の業界で圧倒的知名度を誇る場合。もしくは偶然にもメディアが取り上げ好評を得た場合などですが、どれも偶然の結果でしかありません。もちろんイン ターネットのお陰でもありません。
ちょっと極端な例でしたがホームページの作成を依頼される場合に最も多い誤解のパターンです。まず、映 像の配信は可能です。だからといってインターネットユーザーが夜な夜な何か面白い映像が無いかと探しまわっているという話は聞きません。探してまで見るの は有名人の秘蔵映像や映画の予告編が主でちょっと時間に余裕ができた時に何か面白いものが無いかと映像のポータルを巡回する程度です。
次 にCDの販売です。これは最近のインターネットを利用した商取引量の増加を耳にすれば自分にもチャンスは有ると考える事は間違いではありません。しかし商 取引が活発な理由は、今まで欲しいと思っても自分の行動範囲に販売チャンネルが無かった為に手に入らなかったものが売れている。商品の存在を知る機会が無 かったが潜在的需要のあるものが紹介者(アフェリエイト)が増えたが為に売れている。のであってインターネットの世界自体が巨大なマーケットだと捉えると 方向性を誤ります。
じゃあホームページなんか持ってもしょうがない?のでしょうか。
その2へ続く